ゼノ・デバストのプレースタイルの特徴|知性派CBの全貌と移籍の真相

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ゼノ・デバストさんのプレースタイルが、欧州サッカー界で大きな注目を集めています。

ベルギー出身のセンターバックである彼は、スポルティングCPに所属するビルドアップ型CBとして評価され、2024年にはリヴァプールやアーセナル、マンチェスター・ユナイテッドといったプレミアリーグのビッグクラブが獲得に動いたことでも話題になりました。

この記事では、ゼノ・デバストさんのプレースタイルの特徴を徹底解説します。

ロングフィード・ドリブルによるプレス回避・卓越したポジショニングなど、現代CBに求められる能力を高いレベルで兼ね備えた彼がなぜここまで評価されているのか、経歴とともに詳しく見ていきましょう。

記事のポイント

①:ビルドアップ型CBとして卓越したパス能力・ドリブルで評価

②:元々はNo.10(攻撃的MF)→CBにコンバートした異色の経歴

③:2022年ワールドカップにベルギー代表として選出(当時19歳)

④:リヴァプール・アーセナルなどが獲得に熱視線を送る逸材

ゼノ・デバストのプレースタイルの特徴と核心

  • ビルドアップ型CBとしてのプレースタイル全体像
  • 卓越したロングフィードとパス能力
  • ドリブルによるプレス回避のテクニック
  • 守備面|ポジショニングとインターセプト
  • 身体能力とフィジカルの発展過程

ビルドアップ型CBとしてのプレースタイル全体像

 

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ゼノ・デバストさんのプレースタイルを一言で表すなら、「後ろでプレーするNo.10」という表現がもっとも的確です。

アンデルレヒトU18のモハメド・ウアビ監督がかつてそう評したこの言葉は、現在も変わらず彼のプレースタイルの本質を突いています。

ここでは、ビルドアップCBとしての彼の全体像を整理します。

ビルドアップCBとは何か

近年のサッカーにおけるCBは、単に「守ること」だけが役割ではありません。

ハイラインを敷くチームが増えたことで、最終ラインからボールを正確に前線へつなぐ配球能力が不可欠になってきました。

こうした時代の流れの中で生まれたのが「ビルドアップ型CB」というコンセプトです。

ビルドアップ型CBの主な特徴は以下の通りです。

①パスで局面を打開する能力(ショートパス・ロングフィード)

②相手のプレスをドリブルでかわす技術

③最終ラインからゲームを作るポジショニング判断

ゼノ・デバストさんはこの3要素のすべてを高いレベルで兼ね備えており、欧州ビッグクラブが争奪戦を繰り広げる理由がよく分かります。

スタッツが物語るビルドアップ能力

ベルギー1部リーグでプレーしていた時期のスタッツは、彼のビルドアップ能力を数字でも証明しています。

ボールタッチ関連のスタッツではリーグ上位水準をマークし、特にボールキャリー(運び)についてはリーグ屈指の数字を残しました。

また、サイドチェンジ成功数やファイナルサードへのパス本数もリーグトップクラスに位置していたことが報告されています。

中・長距離パスの精度と頻度も高水準を維持しており、ボール保持時の積極的なプレー選択がデータにも明確に表れていました。

これは20代前半のCBとしては極めて異例の数字であり、同世代のCBと比較しても頭ひとつ抜けた存在であることが分かります。

プレースタイルを形成した元々のポジション

デバストさんのビルドアップ能力が際立っている理由は、彼の経歴に秘密があります。

実は彼はアンデルレヒトの育成時代、センターバックではなくNo.10として育てられていました。

ラストパスから決定的なシーンを演出することを望んでいた少年時代の感覚は、ポジションが変わった後もプレースタイルの核心として残り続けています。

「センターバックにコンバートされてからも、ボールを受けたときに前を向いて仕掛けるという発想が消えなかった」というエピソードは、彼のプレースタイルの本質を理解するうえで重要な手がかりです。

現代フットボールへの適合性

ゼノ・デバストさんのプレースタイルは、現代サッカーのトレンドとほぼ完全に一致しています。

グアルディオラのシティ、クロップ(現在はスロット)のリヴァプールなど、欧州トップクラブが求めるCB像は「配球できて、守備もできる」万能型です。

デバストさんはまさにその理想像に近い選手であり、2024年のリヴァプール・アーセナル・マンチェスター・ユナイテッドによる獲得競争がそれを証明しています。

現在のスポルティングCPでも守田英正さんをはじめとした技術力の高い選手たちと連携することで、さらにプレーに磨きがかかっています。

卓越したロングフィードとパス能力

ゼノ・デバストさんのプレースタイルの中でも、もっとも評価が高い部分がロングフィードとパス能力です。

最終ラインからレンジの広い正確なパスを繰り出し、一気にゲームの局面を変える力は、欧州屈指の若手CBとしての評価を確固たるものにしています。

ロングフィードの精度と特徴

デバストさんのロングフィードには、大きく2つの特徴があります。

ひとつは「精度の高さ」です。

サイドチェンジを含む中・長距離のパスが高い成功率を誇り、相手のプレッシングをわずかなタッチで無効化してしまいます。

もうひとつは「選択の速さ」です。

ボールを受けてから判断するまでの時間が非常に短く、相手が寄せてくる前に展開先を決めてパスを通してしまう。

この素早い判断力は、もともとNo.10として育った経験から自然と身についたものと言われています。

「周囲や前方の味方へと落ち着いてパスをつなぐプレーが散見される」とスカウトの分析でも高く評価されています。

パスのバリエーション

ロングフィード以外にも、デバストさんのパスのバリエーションは豊富です。

ショートパスによるビルドアップ参加・ファイナルサードへの縦パス・サイドチェンジ・ダイレクトパスを組み合わせることで、相手の守備陣形を崩す起点になります。

ベルギーリーグ時代のスタッツでは、ファイナルサードへのパス本数がリーグトップクラスに位置しており、CBとしての本来の役割を超えた攻撃参加が数字にも表れていました。

スポルティングCPでポルトガル1部とチャンピオンズリーグに出場するようになってからも、その配球センスはさらに磨かれています。

リヴァプールが注目した配球能力

リヴァプールがデバストさんを補強リストに入れた理由のひとつが、この配球能力です。

トレント・アレクサンダー=アーノルドの退団やファン・ダイクの年齢面での懸念があるリヴァプールにとって、最終ラインから配球できるCBは急務の補強ポイントでした。

「右足から繰り出される縦パスは相手のプレスを無効化し、中盤の選手にスムーズにボールを供給する」とその能力が高く評価されており、チームの戦術にぴたりと合致していたのです。

パス能力を支えるボール技術の土台

デバストさんのパス能力を支えているのは、幼少期から積み上げてきたボール技術の土台です。

SKペピンゲン・ハレで5歳から始まり、6歳でアンデルレヒトに移ってからはNo.10として技術を磨いてきました。

アンデルレヒトでの長年の育成により、ボールを扱う感覚は誰よりも深く刻み込まれており、これが最終ラインからのビルドアップにおいても発揮されています。

「ボールの扱いに長けており、ドリブルやパスを使った能動的なプレー選択が散見される」という評価は、まさにこの土台から来ているものです。

ドリブルによるプレス回避のテクニック

ゼノ・デバストさんのプレースタイルを語るうえで欠かせないのが、ドリブルによるプレス回避能力です。

相手のプレッシングを軽やかに交わすテクニックは、彼が「知性派CB」と呼ばれる所以のひとつです。

プレス回避の基本スタイル

デバストさんは相手フォワードが寄せてきた際、慌てることなくドリブルで局面を打開します。

単純にボールを蹴り出して逃げるのではなく、ドリブルで相手のプレスをいなしながら守備陣を揺さぶる選択を取ります。

これはNo.10として培った「相手を動かして空いたスペースを使う」という発想が、CBというポジションでそのまま活かされているプレーパターンです。

こうした能動的なプレー選択が、現代フットボールにおけるハイプレスの時代に非常に有効な武器となっています。

ボールキャリー能力の詳細

ベルギーリーグ時代のスタッツによると、デバストさんのボールキャリー(運び)はリーグのCBの中で屈指の数字を記録していました。

ボールを保持して前進する能力の高さは、最終ラインでのビルドアップに直接貢献するだけでなく、相手チームにとっての脅威となっています。

「ドリブルで相手のプレスをいなしたり守備陣を揺さぶったりといった形が散見される」という評価は、このボールキャリー能力に基づいたものです。

トランジション時の判断の速さ

デバストさんが特に光るのが、トランジション(攻守の切り替え)の局面における冷静さです。

ポジティブトランジション(守→攻の切り替え)に際しては、ボール回収の前後で素早く周囲の状況を把握し、落ち着いてパスをつなぐプレーが見られます。

ネガティブトランジション(攻→守の切り替え)時も同様に素早く状況を認識しており、高い位置でのインターセプトにつながるケースも多い。

この素早い状況判断力は、単なる技術的な能力ではなく「サッカーインテリジェンス」と呼べる領域のものです。

プレス回避能力が生み出す攻撃的価値

デバストさんのドリブルによるプレス回避は、守備的な意味合いだけでなく、チームに攻撃的な価値をもたらします。

相手フォワードがプレスをかけることで生まれる「相手の陣形の乱れ」を利用し、プレスを引きつけてから一気に展開する形は、チームの攻撃の起点となります。

例えば相手が2枚でプレスをかけてきたとき、デバストさんがドリブルで1枚目をかわすと、必然的に相手の残り1枚は別のエリアをカバーしなければなりません。

この動きで生まれたスペースを味方が使うことで、チーム全体として相手を崩す局面が作り出されるのです。

まさにNo.10出身ならではの発想が、センターバックというポジションで生かされているプレーといえます。

こうした「ドリブルを使った局面打開」は、欧州トップレベルのCBでも持っている選手は多くなく、デバストさんのプレースタイルが際立つ最大の理由のひとつです。

守備面|ポジショニングとインターセプト

攻撃的な能力ばかりが注目されがちですが、ゼノ・デバストさんの守備面のプレースタイルも見逃せません。

洗練されたポジショニングと高いインターセプト能力が、ビルドアップ型CBとしての信頼を守備側でも支えています。

ポジショニングの洗練度

デバストさんの守備における最大の武器は、ポジショニングの洗練度です。

「ラインの高さを保ちながらも背後のスペースを管理する能力に長けている」という分析が示すように、単純に高いラインを維持するだけでなく、そこから背後のスペースを的確に管理します。

これは「状況判断と読みの鋭さで相手の攻撃を寸断するスタイル」であり、フィジカルで押し切るタイプではなく、知性でプレーするCBの典型例です。

ファン・ダイクの系譜を継ぐという評価もあるほど、このポジショニングセンスは高く評価されています。

インターセプト能力の高さ

デバストさんはスライディングタックルやアクロバティッククリアといった守備スキルも保有していますが、もっとも得意とするのはインターセプトです。

トランジション時の素早い状況認識が、高い位置でのインターセプトにつながっています。

相手の意図を先読みする能力が高く、ボールが出る前にポジションを取り直してカットするプレーが特徴的です。

対人守備とフィジカルデュエル

デバストさんはビルドアップ能力が際立つ一方、対人守備においても20代前半の若手としては印象的なスタッツを残しています。

身長189cmという恵まれた体格を活かした空中戦はもちろん、地上戦でのデュエルスタッツでも10代・20代前半としては高水準を記録していました。

ただし、彼自身も認識しているように、CBとしてのフィジカルはまだ発展途上にある部分もあります。

筋肉量を増やしていく動きは現時点では完全ではなく、身体的な完成度という面ではさらなる成長が期待される段階です。

それでも現時点での守備能力はリーグトップレベルにあり、欧州のビッグクラブのスカウトが高く評価するのも当然と言えるでしょう。

ライン管理と背後のスペース

現代サッカーにおけるCBの重要な役割のひとつが、ハイラインを維持しながらも背後のスペースを管理することです。

デバストさんはこの点において特に優れており、相手フォワードが裏に抜け出そうとするタイミングでのポジション調整が洗練されています。

ゾーナル・ディフェンスの概念を深く理解したうえで動けるため、チームの守備組織に適切に組み込まれる能力も高い。

ここ、現代CBに求められる最重要スキルのひとつですよね。

身体能力とフィジカルの発展過程

ゼノ・デバストさんのプレースタイルを語るとき、身体能力の発展過程も重要な要素のひとつです。

技術的な能力が先行して注目されがちですが、フィジカル面での成長も彼のプレースタイルを支えています。

189cmという長身を活かしたプレー

デバストさんの現在の身長は189cm(ゲキサカのプロフィールでは189cm、SoFIFAでは191cm)で、CBとして十分な体格を持っています。

この身長があるからこそ、ロングフィードの視野の広さ、空中戦での安定感が生まれています。

興味深いのは、彼が成長期段階にあったことがアンデルレヒトのCBコンバートの一因だったという事実です。

「メディカルチェックにおける検査結果として、彼がまだ成長期段階にあることが判明し、ディフェンダーとしてコンバートすることを考えた」というエピソードは、サッカー選手の育成における身体面の重要性を示しています。

結果的に189cmまで伸び、現代CBとして理想的な体格を手に入れました。

スピードと俊敏性の特徴

デバストさんは189cmという長身にもかかわらず、俊敏性に優れているという評価があります。

「189cmの長身ながらも俊敏性に優れ、ボール保持時の落ち着きと配球能力が際立つ」という評価は、彼の身体的特徴をよく表しています。

大柄なCBにありがちな機動力の低さとは異なり、動きのキレが保たれているのが特徴です。

これにより、相手のプレスに対してドリブルで対応できる場面が増え、プレースタイルの幅が広がっています。

フィジカル強化への取り組み

CBとしてコンバートされた当初、デバストさんはフィジカル面での改革を迫られました。

「まずは闘えるフィジカルへの改革から取り組む必要がある」という状況から、段階的に筋肉量を増やし、CBとして通用するフィジカルを身につけてきました。

父親のラフ・デバストさんがディフェンダー経験者だったことも、フィジカル面の理解を深めるうえで大きな助けになったとされています。

スポルティングCPに移籍した2024年以降は、チャンピオンズリーグレベルのフィジカルコンタクトに適応することで、さらなる成長が期待されています。

プロフィール表

項目 詳細
本名 Zeno Koen Debast(ゼノ・コーン・デバスト)
生年月日 2003年10月24日
2026年04月20日現在の年齢 22歳
国籍/出身地 ベルギー/ハレ(フラームス=ブラバント州)
身長/体重 189cm / 83kg
ポジション センターバック(CB)
現所属クラブ スポルティングCP(加入:2024年7月)
元所属クラブ RSCアンデルレヒト(2009〜2024年)
プレースタイル ビルドアップ型CB
利き足 右足
代表歴 ベルギーA代表(2022年9月デビュー)

ゼノ・デバストのプレースタイルを生んだ軌跡と移籍の行方

  • 生い立ちとプロデビューまでの軌跡
  • No.10からCBへ|コンバートとプレースタイル形成
  • スポルティングCPでのプレー進化
  • ベルギー代表でのプレースタイルと役割
  • 欧州ビッグクラブが熱視線を送る理由
  • ゼノ・デバストのプレースタイルの総まとめポイント

生い立ちとプロデビューまでの軌跡

 

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ゼノ・デバストさんのプレースタイルがどのように形成されたのかを理解するためには、彼の生い立ちを知る必要があります。

ベルギー中北部のフラームス=ブラバント州、古代ヨーロッパ時代から重要な場所として栄えてきたハレという街で生まれた彼のサッカー人生は、文字通り「家族全員でボールを蹴る」環境から始まりました。

ハレでの幼少期とサッカーとの出会い

デバストさんが生まれたハレは、ベルギーの首都ブリュッセルから南西に約16kmの距離に位置する街です。

父親のラフ・デバストさんはパジョトンラン地方のアマチュア選手としてプレーしており、母親もペピンゲンのチームに所属していたという、家族全員がフットボールに夢中な環境でした。

両親から「やれ」と勧められたわけではないものの、週末には父親の試合観戦に訪れる日々の中で自然とボールを蹴り始め、5歳で最初のクラブであるSKペピンゲン・ハレに加入しています。

6歳でアンデルレヒト入り

SKハレで入団1年目から同世代の子どもたちと比べて優れた技術を見せていたデバストさん。

最初のコーチであるアルビド・デ・コスター氏が立ち上げたプロジェクトを通じて、わずか1年後の6歳で名門RSCアンデルレヒトからの誘いを受けます。

アンデルレヒトへの入団については両親の判断が大きく、自宅から車で15〜20分程度という通いやすさも考慮されながら、育成の名門クラブへの扉を開きました。

ちなみに父親のラフさんは、息子がアンデルレヒトに加入したことを機に、これまで応援していたスタンダール・リエージュからアンデルレヒトに心を移したというエピソードも残っています。

育成時代の生活と学業

9歳(4年生)のタイミングで、アンデルレヒトと提携関係にあるシント=ニクラス学院に転校することでスポーツと学業の両立を目指していました。

この時期のポジションは現在のセンターバックではなく、攻撃的な位置でのプレー。

ラストパスから決定的なシーンを演出することを望む、典型的なNo.10として育てられていました。

英語に加えてスペイン語を勉強しているのも、幼少期の好きなクラブがFCバルセロナ、好きな選手がクリスティアーノ・ロナウドだったことと関係していると言われています。

プロデビューとその後の成長

2021年5月、ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)のプレーオフでクルブ・ブルッヘ戦に17歳でトップデビューを飾ります。

翌2021/22シーズンでの出場機会は限られていましたが、シーズン終盤の指揮官交代や主力の出場停止処分が重なり5試合に出場。

2022/23シーズンに本格的に評価され、フェリス・マッズ監督が採用する3バックの一角に組み込まれると、UEFAカンファレンスリーグも含めた25試合(2,262分)に出場する主軸となりました。

年月 出来事
2003年10月 ベルギー・ハレで生まれる
2008年 SKペピンゲン・ハレに加入(5歳)
2009年 RSCアンデルレヒトに加入(6歳)
2021年5月 トップデビュー(17歳・クルブ・ブルッヘ戦)
2022年9月 ベルギーA代表デビュー(UEFAネーションズリーグ)
2022年11月 FIFAワールドカップ2022本大会メンバー選出
2024年7月 スポルティングCPへ移籍

No.10からCBへ|コンバートとプレースタイル形成

ゼノ・デバストさんのプレースタイルの独自性を生み出した最大の要因が、No.10からセンターバックへのコンバートです。

この決断が、現在の「後ろでプレーするNo.10」という唯一無二のプレースタイルを生み出しました。

コンバートのきっかけ

コンバートのきっかけは、アンデルレヒトU18のモハメド・ウアビ監督の判断です。

メディカルチェックで彼がまだ成長期段階にあることが判明し、大きく成長する可能性を持つ体格を考慮してディフェンダーへのコンバートが検討されました。

「スター性のある『アンデルレヒトのNo.10』への道が絶たれたことで退団の可能性も考えられた」という状況でしたが、デバストさんはそれでもアンデルレヒトに残る選択をします。

この決断が、現在の唯一無二のプレースタイルを生み出した分岐点となりました。

コンバート後の苦労と克服

「それまで一度もタックルをしたことがなかった」と振り返るデバストさんにとって、センターバックは未知の世界でした。

まずは闘えるフィジカルへの改革から取り組む必要があり、課題は山積み。

その中で大きな支えとなったのが、ディフェンダーとしてプレーしていた父親のラフさんの存在です。

また、1本のパスミスで次の10本のパスではリスクのないプレーばかりを選択していた精神的な弱さを、メンタルトレーナーとの二人三脚で克服したエピソードも残っています。

ここ、プロ選手になる人たちの「逆境からの成長」を感じる話ですよね。

ウアビ監督とコンパニによる評価

デバストさんの成長をU18のウアビ監督がトップチームのヴァンサン・コンパニ監督(当時)に報告すると、コンパニ監督も新たなセンターバックとして高く評価。

2021年5月のプレーオフでの17歳でのトップデビューにつながりました。

ウアビ監督はデバストさんのプレースタイルを「後ろでプレーするNo.10のようなものだ」と表現しており、この言葉がそのまま彼の代名詞となっています。

コンバートがプレースタイルに与えた影響

No.10出身であることが、センターバックとしてのプレースタイルに与えた影響は計り知れません。

攻撃的な発想・前を向くプレー選択・パスで局面を打開する能力、これらはすべてNo.10時代に培われたものがそのままセンターバックの立場で発揮されています。

3バックと4バックの両方における右CBとして起用されると、最終ラインからピッチ上を広く見渡せるようになったことで持ち前の広視野と卓越したロングフィード能力を発揮。

「相手のプレッシャーを軽やかに交わすテクニックなどボールを扱い前進させる能力に長けたセンターバック」というスタイルが完成しました。

スポルティングCPでのプレー進化

2024年7月、ゼノ・デバストさんは6歳から在籍し続けたアンデルレヒトを離れ、スポルティングCPへ移籍しました。

ポルトガルの名門クラブで、より高いレベルでのプレーを経験することで、彼のプレースタイルはさらに磨かれています。

スポルティングCPへの移籍の経緯

アンデルレヒトとは直近の契約更新によって2025年6月末までの契約が残っていましたが、2024年7月にスポルティングCPへの移籍が実現しました。

スポルティングCPとは2029年までの契約を締結しており、長期的なプロジェクトの一員として位置づけられています。

市場価値は移籍時点で推定3000万ユーロ(Transfermarkt)、リリース条項は6490万ユーロ(SoFIFA)と報告されています。

ポルトガル1部・チャンピオンズリーグでの経験

スポルティングCPではポルトガル1部(プリメイラ・リーガ)とUEFAチャンピオンズリーグという、ベルギーリーグよりもはるかに高いレベルでの出場を経験しました。

チャンピオンズリーグでは2024年9月のリール戦にも出場するなど、欧州最高峰の舞台での実戦経験を積んでいます。

「守田英正が退場誘発プレーも警告受けて前半のみ出場…スポルティングはリールを2発撃破でCL白星発進」というニュースにも登場しており、守田英正さんとの共演が話題を呼びました。

守田英正との共演とプレースタイルへの影響

スポルティングCPでの守田英正さんとの共演は、デバストさんのプレースタイルにとっても良い影響を与えています。

守田さんのような高い技術とインテリジェンスを持つ選手と日常的に連携することで、ビルドアップの連係精度がさらに向上しています。

「スポルティングはリーグ開幕7連勝中のPSVにドロー」というニュースも出ており、欧州の強豪相手にも堂々と渡り合えるレベルに達していることが分かります。

移籍後のプレースタイルの変化

スポルティングCPでの経験は、デバストさんのプレースタイルをより洗練されたものにしています。

ベルギーリーグよりも質の高い相手との対戦を通じて、守備面での読みとポジショニングがさらに精緻になっている。

ビルドアップ能力においても、チャンピオンズリーグレベルの相手プレスへの対応を経験することで、パスの判断スピードや配球の選択肢が増えています。

2024年7月の移籍から間もないながらも、スポルティングCPでの経験が着実にプレースタイルの深化をもたらしています。

ベルギー代表でのプレースタイルと役割

ゼノ・デバストさんのプレースタイルが国際舞台でどのように評価されているのかを見ていきましょう。

2022年9月のベルギーA代表デビューは、まだアンデルレヒトでの経験が浅かった彼にとって、大きな転機となりました。

代表デビューの経緯

COVID-19の影響もありながら、ベルギーU15から常に各世代別代表への招集歴を持つデバストさん。

2022年9月、UEFAネーションズリーグのウェールズ代表戦とオランダ代表戦の2試合でA代表に初招集され、いずれもフル出場を果たしました。

この2試合での堂々たるプレーが評価され、FIFAワールドカップ2022(カタール大会)の本大会メンバー1人として選出されます。

当時19歳での選出は、彼のプレースタイルへの信頼がいかに高かったかを示しています。

歴戦のCBたちとの3バック形成

代表デビュー時に特に注目されたのが、トビー・アルデルヴァイレルト、ヤン・フェルトンゲンという歴戦のCBたちとの3バック形成です。

ベルギー代表の守備の柱として長年活躍してきた2人のベテランと並んで、19歳のデバストさんが堂々とプレーした事実は、彼のプレースタイルの完成度を示すものです。

後のヤン・フェルトンゲンさんとは、プレースタイルの記事でも名前が並ぶほど相互の関連性が注目されています。

ワールドカップ2022での経験

カタール大会本大会では、ベルギー代表のメンバーとして帯同しました。

当時まだ19歳だったデバストさんにとって、世界最高峰の舞台を肌で感じた経験は、その後のプレースタイルの発展に大きく貢献しています。

ワールドカップという最高峰の舞台で得られた経験・見識・対戦相手からの刺激は、若いCBとして飛躍するための糧となりました。

代表での継続的な活躍

2025年3月にも新指揮官のもとでベルギー代表メンバーに選ばれており、代表での地位も確立されつつあります。

クルトワ選手の代表復帰が話題になった同時期のメンバー発表でも、デバストさんは引き続き選ばれています。

ベルギー代表の守備陣において、若い世代の中核を担う存在として成長しているのです。

欧州ビッグクラブが熱視線を送る理由

なぜリヴァプール・アーセナル・マンチェスター・ユナイテッド・ACミランといった欧州のビッグクラブが、ゼノ・デバストさんのプレースタイルに惹かれるのでしょうか。

「手が届く現実的な選択肢」でありながら「知性と冷静さを兼ね備えた若者」という希少な組み合わせが、各クラブのスカウトを魅了しています。

リヴァプールが関心を示した理由

サッカージャーナリストのベン・ジェイコブズ氏の報道によると、リヴァプールは2024年から2025年にかけての移籍市場でデバストさんを補強リストに入れていました。

リヴァプールがデバストさんのプレースタイルに注目した理由は明確です。

ファン・ダイクの年齢的なピークを越えたこと、コナテの契約満了など複数の懸念材料があるなか、「ビルドアップCBとしてのデバストのプレースタイルがスロット監督の戦術にぴたりと合致していた」のです。

スヴェン・ボトマンやウィリアン・パチョといった高額なターゲットに比べて「手が届く現実的な選択肢」として位置づけられていた点も大きな要因です。

アーセナル・マンUの関心

アーセナルとマンチェスター・ユナイテッドもデバストさんに関心を示しているとされています。

アーセナルはサリバの負担軽減とローテーション強化を視野に入れており、デバストさんのプレースタイルは理にかなった補強対象です。

マンチェスター・ユナイテッドはリサンドロ・マルティネスの負傷などを背景に守備陣の再構築が急務となっており、デバストさんのようなビルドアップ型CBへの需要は高い。

争奪戦が激化しているということは、それだけ彼のプレースタイルが現代サッカーにおいて希少価値を持つということです。

ACミランも早期から注目

ACミランは早い段階からデバストさんに注目しており、「ベルギーの逸材CBゼノ・デバストに興味」という報道が2023〜2024年頃から出ていました。

「現時点でミランの優先事項ではない」とする報道もありましたが、来シーズンの監督人事によっては本格的に動く可能性があるとされていました。

「アクティブなCBを求める監督であれば、デバストのようなプレースタイルを持つ選手を求める可能性は多分にある」という分析は的確と言えます。

移籍市場での現在地と今後の展望

現在はスポルティングCPと2029年まで契約を締結しており、クラブ側も簡単には手放さない姿勢を示しています。

市場価値は推定3000万ユーロで、リリース条項が6490万ユーロという設定です。

ただ、スポルティングCPでの実績とチャンピオンズリーグ経験が積み重なれば、市場価値はさらに上昇する可能性があります。

ベルギー代表の守備の要として、そして欧州トップクラブへの移籍候補として、ゼノ・デバストさんへの注目は今後もますます高まりそうです。

ゼノ・デバストのプレースタイルの総まとめポイント

  • ゼノ・デバストはビルドアップ型CBとして欧州最高水準の評価を受ける
  • 2003年10月24日生まれ、ベルギー・ハレ出身
  • スポルティングCP所属(2024年7月移籍、2029年まで契約)
  • 元々はNo.10(攻撃的MF)でCBにコンバートした異色の経歴
  • コーチの言葉は「後ろでプレーするNo.10」がプレースタイルの本質を表す
  • ロングフィード・サイドチェンジ成功数はベルギーリーグでトップクラスのスタッツ
  • ドリブルによるプレス回避がビルドアップの重要な武器
  • 守備面では洗練されたポジショニングとインターセプト能力が光る
  • ベルギーA代表に2022年9月デビュー(19歳時)
  • FIFAワールドカップ2022本大会メンバーに選出
  • アルデルヴァイレルト・フェルトンゲンと3バックを形成した実績あり
  • リヴァプール・アーセナル・マンU・ACミランが獲得に関心
  • 市場価値推定3000万ユーロ、リリース条項6490万ユーロ
  • 父親・ラフ・デバストさんもアマチュアサッカー選手の家族ぐるみのサッカー一家
  • 守田英正さんとスポルティングCPで共演中、さらなる成長が期待される

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