モハメドエルネニーのプレースタイル|エジプトが誇る縁の下の力持ちの真髄

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モハメドエルネニーさんのプレースタイルについて知りたい方は多いはずです。

アーセナルFCで長くプレーし、「エジプトが誇る縁の下の力持ち」として知られるエジプト代表MFです。

得点やアシストの数字よりも、ボールロストの少なさ・ハイプレス・高いインターセプト能力という「見えない貢献」でチームを支える、現代サッカーに欠かせないタイプのMFとして高く評価されています。

この記事では、エルネニーさんのプレースタイルをハードプレス・パス安定性・インターセプト・スタミナ・チーム貢献という5つの軸と、カイロの路上から始まったキャリアも合わせて徹底解説します。

記事のポイント

①:ハードプレスとインターセプトが特徴の守備的ミッドフィルダー

②:ボールロストが非常に少ない安定した技術でチームの安心感を生む

③:エメリ監督に戦力外宣告されながらアルテタ監督の信頼を勝ち取った復活劇

④:カイロの路上で毎日10時間サッカーを磨いた情熱の男

モハメドエルネニーのプレースタイル|縁の下の力持ちの真髄

  • 【ハードプレス】絶え間ない守備参加とボール奪取
  • 【安定性】ボールロストの少なさと高いパス精度
  • 【スタミナ】無尽蔵の運動量と90分間の貢献
  • 【インターセプト】予測力の高さとパスカット技術
  • 【チーム貢献】アルテタ監督が認めた縁の下の力持ち
  • 【人間性】路上サッカーで磨いた魂とイスラム信仰

【ハードプレス】絶え間ない守備参加とボール奪取

 

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モハメドエルネニーさんのプレースタイルの最大の特徴は、90分間衰えないハードプレスです。

eFootball評価「ハードプレス」の意味

ウイイレ・eFootballシリーズでは、エルネニーさんのプレースタイルは「ハードプレス」に分類されています

これは単なるゲームの分類ではなく、彼のプレースタイルの本質を表すキーワードです。相手ボールホルダーへの積極的なプレッシャー、パスコースの遮断、チームとして連動したプレスの起点となる動きが、エルネニーさんの守備の核心です。

プレミアリーグというフィジカルとスピードが求められる舞台で、アーセナル在籍10年近くにわたってこのプレースタイルを維持し続けてきたことは、彼の肉体的・精神的な強さの証明です。

プレスの質と組織的守備

エルネニーさんのプレスが評価されるのは、その「無駄のなさ」にあります。

相手のパスコースを読みながら確実に選択肢を限定するインテリジェントなプレスは、背後の選手がボールを奪いやすい状況を作り出す組織的な守備の一部として機能します。

「ただ走って当たるだけ」のプレスではなく、角度とタイミングを計算した賢いプレスをかけることで、チーム全体の守備強度を高めています。

アルテタ監督のアーセナルが採用するハイプレス戦術において、エルネニーさんのこの特性は非常に重要なピースとして機能しています。

守備スキルの多彩さ

eFootball上での所持スキルを見ると、エルネニーさんは「インターセプト」「ワンタッチパス」「コントロールカーブ」「アクロバティッククリア」という組み合わせを持っています。

インターセプトとアクロバティッククリアという守備寄りのスキルと、ワンタッチパスという攻撃的なスキルの組み合わせは、守備と攻撃を繋ぐ「ダブルボランチの一角」という役割を端的に表しています。

プレミアリーグというフィジカルとスピードの強度が極めて高い舞台で、この多彩な守備スキルを長期間にわたって発揮し続けてきたことは、エルネニーさんのプレースタイルが一過性のものではなく、確かな技術に裏打ちされたものであることを証明しています。

【安定性】ボールロストの少なさと高いパス精度

エルネニーさんのプレースタイルで、見る者を安心させる最大の要素が「安定性」です。

ボールロストが非常に少ない

アーセナルのファンやメディアが一致して評価するのが、エルネニーさんの「ボールロストの少なさ」です。

プレミアリーグのような強度の高いリーグでも、プレッシャーを受けながらボールを保持し続ける能力は他の選手と比較しても際立っています。

「パスが不調な日がほとんどない」という評価は、プレスを受けながらも冷静にボールを捌く技術と、次のプレーを先読みする判断力の高さを示しています。

ワンタッチパスの精度

エルネニーさんが得意とするのは、テンポよくボールを循環させるワンタッチパスです

プレッシャーのかかる局面でも、一つ余計なタッチをすることなくボールを展開する「余裕」は、長年の経験と技術の高さから生まれています。

ダブルボランチの相方がボールを前に運ぶタイプである場合、エルネニーさんは後ろに残って安定した配球役を担う——このバランス感覚が、監督にとって「計算が立てやすい」選手としての評価に繋がっています。

「調子の波が少ない」という最大の強み

エルネニーさんの安定性は、試合ごとのパフォーマンスの一貫性にも表れています。

スーパーな活躍はなくとも、悪い試合もほとんどない——この「波のなさ」こそが、長期にわたってアーセナルのローテーションメンバーとして重用され続けた最大の理由の一つです。

特にカップ戦や日程の詰まった時期に出場機会が増えるパターンは、監督からの信頼がいかに厚いかを物語っています。

また、エルネニーさんの安定性は攻撃時のビルドアップにも反映されています。ディフェンスラインからボールを受ける際、プレッシャー下でも確実に前の選手へとボールを繋ぐことで、チームのポゼッションを途切らせない「縁の下の配球役」として、監督が安心して送り出せる選手の筆頭となっています。安定性こそが、長期在籍を可能にした最大の武器です。

【スタミナ】無尽蔵の運動量と90分間の貢献

エルネニーさんのプレースタイルを語る上で、スタミナの豊富さは欠かせない要素です。

後半ロスタイムまで走り続ける

アーセナルのサポーターの間で語り草になっているシーンがあります。

それは、マンチェスター・ユナイテッドとの試合において、後半ロスタイムにピッチを横断するプレスを繰り出した場面です。

「全英が泣いた」とまで評されたこの場面は、エルネニーさんが試合終了まで100%で走り続けることへの賞賛でした。多くの選手が試合終盤に脚が重くなる中、エルネニーさんのエンジンは終始止まりません。

カイロ時代に培われたスタミナの源

この豊富なスタミナの原点は、幼少期のカイロでの生活にあります。

幼少時代のエルネニーさんはカイロの路上で毎日10時間サッカーをしていたと伝えられています。

舗装されていない場所でも、休む間もなくボールを蹴り続けた少年時代の経験が、プロになった今も衰えないスタミナの基盤を作り上げているといっても過言ではありません。

アフリカ出身の選手特有の「走り負けない体力」と、路上サッカーで培った「どんな状況でも諦めない精神力」が融合した結果が、現在のエルネニーさんのスタミナです。

プレスの強度とスタミナの相乗効果

ハードプレスとスタミナの組み合わせは非常に強力です。

前半からプレスをかけ続けても、後半に運動量が落ちないということは、相手チームにとって「疲れさせられない」という脅威を90分間にわたって与え続けることを意味します。

特にカップ戦や延長戦が予想される試合での信頼度は抜群で、監督がエルネニーさんをチョイスする場面が多いのはこのためです。

さらに、豊富なスタミナは精神的な強さとも連動しています。「疲れたからプレスをやめる」という選択肢がないエルネニーさんの姿勢は、チームメイトにとっても良い刺激となり、チーム全体の守備強度を高い水準に保つ効果をもたらしています。スタミナは単なる身体能力ではなく、チームを鼓舞する「見えないリーダーシップ」でもあるのです。

【インターセプト】予測力の高さとパスカット技術

エルネニーさんのプレースタイルのもう一つの核心が、高いインターセプト能力です。

eFootball最高評価のインターセプト

eFootballシリーズのステータス評価では、エルネニーさんの「パスカット」のランキングが630位と高評価を得ています。

これはサッカーゲームの数値ですが、実際のプレーでもエルネニーさんのインターセプト能力の高さは多くのスカウトやコーチから評価されています。

相手のパスが出る瞬間を読んでポジショニングし、ボールをカットして素早くボールを展開する——この一連の動作の正確さがエルネニーさんの守備の強みです。

相手パスコースの読み方

インターセプトの巧みさは、単なる反射神経だけでなく「相手の動きを読む」という予測力によって支えられています。

エルネニーさんは試合中に常にボールの行方を予測しながらポジションを取っており、相手がパスを出す前から最適な場所に立っているケースが多く見られます。

この「先読み」の能力は長年のプレミアリーグでの経験によって磨かれたものであり、バーゼルやアーセナルという戦術的に高度なクラブで積み重ねた知識の結晶です。

球際の強さとアクロバティッククリア

「アクロバティッククリア」のスキル保有が示す通り、エルネニーさんは危険な場面でも体を張って守備をこなします。

球際でも低重心・コンパクトな姿勢で当たり負けせず、1対1でも粘り強く対応する守備力は、守備的MFとして必須の能力です。

ヘディングや身体的な競り合いでも積極的に介入し、チームのピンチを未然に防ぐ貢献は、数字に残らない「縁の下の力持ち」の仕事の典型です。

インターセプト後の切り替えの速さも際立っています。ボールを奪った直後に素早く次のパスを選択するトランジションの速さは、現代のハイテンポサッカーにおいて非常に重要な要素です。守備→攻撃への切り替えがスムーズなことで、エルネニーさんは「奪ってからの展開」においてもチームへの貢献度が高く、ただ守るだけでない攻守一体のMFとしての存在感を発揮しています。

【チーム貢献】アルテタ監督が認めた縁の下の力持ち

エルネニーさんのプレースタイルで最も重要なのは、チームに対する献身性と貢献の質です。

エメリの戦力外からアルテタの信頼へ

エルネニーさんのアーセナルでのキャリアには、大きな転換点がありました。

当時の監督ウナイ・エメリから公の場で戦力外通告を突きつけられ、2019-20シーズンはトルコのベシクタシュへのレンタルに出されました。

しかし翌シーズン、ミケル・アルテタ監督のプレシーズン評価で一転して高い評価を受け、アーセナル残留を勝ち取ります。アルテタ監督が見出したのは「絶対的な献身性と調子の波の少なさ、ボールロストが少ない安定感」でした。

アルテタシステムでの役割

アルテタ監督のハイプレス・ポゼッションサッカーにおいて、エルネニーさんは「チームの歯車として機能する選手」としての価値を発揮しています。

特にトーマス・パーティとのダブルボランチは、マンチェスター・ユナイテッド戦で圧巻のパフォーマンスを見せたことでその可能性が認められました

スーパースターではなくとも、チームに安定感と強度をもたらす「信頼できるローテーション要員」としての役割は、長いシーズンを戦う上で非常に重要です。

チームメイトからの評価

エルネニーさんは人柄の面でも高く評価されています。

チームメイトへの気配りやコミュニケーション能力の高さは、アーセナルのロッカールームでも「おそらくむちゃくちゃ良い人」と表現されるほどの評判を得ています。

プロフェッショナルとしての姿勢と人間的な温かさを兼ね備えた選手は、数字に見えない部分でもチームに多大な貢献をしています。

エルネニーさんのチームへの貢献をさらに際立たせるのが、プレー中の声かけとコミュニケーション能力です。守備のポジショニング指示やチームメイトへの励ましを惜しまない姿は、若手選手たちの手本となっており、アーセナルのロッカールームの雰囲気作りにも一役買っています。勝利に直結する「目に見える貢献」と、チームを繋ぐ「目に見えない貢献」の両方を持つMFとして、長期在籍を実現できた理由の一端がここにあります。

【人間性】路上サッカーで磨いた魂とイスラム信仰

エルネニーさんのプレースタイルの根底には、彼の人生経験と信仰が深く結びついています。

カイロの路上から世界最高峰のリーグへ

エルネニーさんの出発点は、エジプトのマハッラ・アル=クブラーという都市でした。

幼少時代のエルネニーさんはカイロの路上で毎日10時間ものサッカーに費やしたと伝えられています。

欧州のアカデミーのような整備された環境ではなく、路上という最もプリミティブな場所でサッカーの基礎と情熱を磨いた経験は、現在の彼のプレースタイルに「諦めない粘り強さ」という要素をもたらしています。

カイロからバーゼル、そしてアーセナルというプレミアリーグ屈指の名門への道のりは、エルネニーさんの努力と才能の証明です。

敬虔なイスラム教徒としての信仰

エルネニーさんは非常に敬虔なイスラム教徒としても知られています。

かつてはアウェイ戦に祈るためのマットを持ち込んでいたほどで、その真剣さがチームメイトや関係者から深い尊敬を集めています。

イスラム教の教えである「謙虚さ・誠実さ・チームへの奉仕」という価値観は、エルネニーさんのプレースタイルにも反映されており、個人の功名よりもチームの勝利を優先する姿勢の根底にあります。

エジプト代表としての誇り

エルネニーさんはエジプト代表の長年の主力として、アフリカネイションズカップ(AFCON)での活躍を続けています。

2019年のAFCONで自国開催の大会に出場し、代表チームをファイナルに導くまでに貢献したエルネニーさんの存在は、エジプト国内でも英雄的な扱いを受けています。

DAZNが「エジプトが誇る縁の下の力持ち」と紹介した通り、国際舞台でも安定したパフォーマンスを発揮し続ける選手として、エジプトサッカーの一つの象徴となっています。

エルネニーさんの人間性がプレーに与える影響は計り知れません。イスラムの教えが根底にある謙虚さと奉仕の精神は、「自分より先にチームありき」というプレースタイルの哲学と完全に一致しています。スコアラーとして名を残すよりも、チームが勝てる環境を作ることに喜びを見出す——その価値観がエルネニーさんの縁の下のプレースタイルの源泉であり、長年にわたってサポーターに愛され続ける理由のひとつでもあります。

モハメドエルネニーのプレースタイルを形成したキャリアと代表歴

  • 【プロフィール】基本情報と経歴概観
  • 【バーゼル〜アーセナル】欧州で頭角を現したキャリア
  • 【アーセナルでの歩み】戦力外宣告からの復活と長期在籍
  • 【エジプト代表】AFCONでの活躍と代表での存在感

【プロフィール】基本情報と経歴概観

 

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まず、モハメドエルネニーさんの基本プロフィールを整理しておきましょう。

基本プロフィール表

項目 内容
氏名 モハメド・エルネニー(Mohamed Elneny)
生年月日 1992年12月11日
2026年04月20日現在の年齢 33歳
出身地 エジプト・ガルビア県マハッラ・アル=クブラー
身長・体重 179cm・72kg
所属クラブ アーセナルFC(プレミアリーグ)
ポジション 守備的ミッドフィルダー / セントラルMF
利き足 右足
代表 エジプト代表

プレースタイルの特徴一覧

特徴 評価 詳細
プレッシング 非常に高い ハードプレスが代名詞
インターセプト 高い eFootball上位ランク
ボールロスト 非常に少ない 安定感の象徴
スタミナ 高い 90分間フル稼働
得点力 低め 稀だが確実なシュート

エルネニーさんを語る一言

「縁の下の力持ち(英語でUnsung hero)」——これがエルネニーさんを最も的確に表すフレーズです。

ヒーローとして讃えられる機会は少なくても、チームが結果を出す上でなくてはならない存在として長年プレミアリーグのトップクラブで戦い続けてきた事実は、それだけで十分な敬意に値します。

経歴概観

エルネニーさんのキャリアをざっくり振り返ると、エジプト国内のアル=ムカウルーン(El Mokawloon)でプロデビューし、2013年にスイスのFCバーゼルへ移籍。バーゼルでは4シーズン在籍し、UEFAチャンピオンズリーグへの出場経験も積みました。

2016年1月、プレミアリーグの名門アーセナルFCへの移籍が実現。以来、アーセン・ベンゲル、ウナイ・エメリ、ミケル・アルテタという3人の異なる監督のもとでアーセナルに在籍し続けている長期在籍選手です。エメリ時代にはベシクタシュへのレンタルという試練を経験しながらも、アルテタ新監督のもとで見事に復活を果たしました。

エジプト代表では長年の主力として、アフリカネイションズカップ(AFCON)に複数回出場し、エジプトサッカーの国際的な顔の一人として活躍しています。

【バーゼル〜アーセナル】欧州で頭角を現したキャリア

エルネニーさんがプレミアリーグという世界最高峰の舞台に辿り着くまでには、着実なステップアップの軌跡がありました。

エジプト国内クラブでの台頭

エルネニーさんはエジプトのアル=ムカウルーン(El Mokawloon)で育ち、プロキャリアをスタートさせます。

エジプトのリーグでその才能を発揮したエルネニーさんは、スイスの名門クラブ・バーゼルの目に留まり、欧州進出を果たします

バーゼルはスイスリーグの強豪であるだけでなく、UEFAチャンピオンズリーグにも定期的に出場するクラブであり、エルネニーさんはここで欧州レベルの経験を積むことができました。

バーゼルでの活躍と評価

バーゼルでのエルネニーさんは、守備的MFとして安定した貢献を続けました。

チャンピオンズリーグでの経験は特に貴重で、バルセロナやレアル・マドリードなどのビッグクラブとも対戦する中でプレーの質を高めていきました

バーゼルでの実績がアーセナルのスカウト陣の目に留まり、2016年1月の冬の移籍市場でプレミアリーグへのステップアップが実現します。

アーセナル加入とプレミアリーグ適応

2016年1月、エルネニーさんはアーセナルFCに加入します。

プレミアリーグの強度と速さに初めて対面したエルネニーさんでしたが、その適応力の高さとプレースタイルの堅実さは早々に監督の信頼を獲得。アーセン・ベンゲル監督のもとで貴重なローテーション要員として機能し始めます。

加入年数を重ねるごとにアーセナルのシステムへの理解を深め、複数の指導者のもとでも継続的に実力を発揮してきた点は、エルネニーさんの適応力と生存能力の高さを物語っています。

アーセナル加入初年度から、エルネニーさんはFAカップやリーグカップでの先発出場をこなし、「計算できる中盤の選手」としての地位を固めていきます。バーゼルで磨いたチャンピオンズリーグ経験と欧州サッカーへの適応力が、プレミアリーグという更に厳しい舞台でも生きたのです。エジプト出身の選手がプレミアリーグで複数シーズン活躍し続けることは容易ではなく、エルネニーさんはアフリカ出身選手のロールモデルとしても評価されています。

【アーセナルでの歩み】戦力外宣告からの復活と長期在籍

エルネニーさんのアーセナルでのキャリアは、順風満帆ではありませんでした。

エメリ時代の苦境

2018年にベンゲル監督が退任し、ウナイ・エメリが就任すると、エルネニーさんの立場は大きく変わります。

エメリ監督は2019年夏の時点で公の場のコメントで事実上の戦力外通告を突きつけ、移籍を勧告します

プレミアリーグに15試合以上出場したシーズンは一度もなく、2018-19シーズンにはフル出場がわずか1度という状況でした。プロとして最も辛い「いてもいなくてもいい存在」と扱われた時期は、エルネニーさんにとって大きな試練でした。

ベシクタシュへのレンタルと再挑戦

2019-20シーズン、エルネニーさんはトルコのベシクタシュへのレンタルに出されます。

レンタル期間中はそれなりの出場機会を得ましたが、爆発的な活躍とまでは至らず、このままアーセナルを離れることが既定路線と見られていました

しかし2020年夏、ミケル・アルテタ新監督のもとでプレシーズントレーニングに参加したエルネニーさんは、監督から高い評価を受け一転してアーセナル残留を勝ち取ります。

アルテタ体制での復活と存在感

アルテタ監督が評価したのは「絶対的な献身性と調子の波の少なさ、ボールロストが少ない安定感」でした。

2020-21シーズン以降、エルネニーさんはアルテタ監督の信頼を勝ち取り、重要な試合でのスタメンや過密日程での先発出場を続けます。特にトーマス・パーティとのコンビはマンチェスター・ユナイテッド戦で圧倒的な存在感を示し、大きな評価を得ました。

エメリに戦力外宣告されてから数年後、アルテタのアーセナルで欠かせない存在となる——この逆転劇はエルネニーさんの「諦めない姿勢」の最大の証明といえます。

2022-23シーズン以降も、エルネニーさんはアーセナルのリーグ優勝争いのシーズンにおいて、過密日程を支えるローテーション選手として出場を重ねました。長期契約の延長によって、アーセナル在籍10年近くという稀有なキャリアを実現。同じクラブにこれほど長く在籍するには、技術だけでなく人格と継続的な努力が不可欠であり、エルネニーさんはその両方を備えた選手として評価されています。

【エジプト代表】AFCONでの活躍と代表での存在感

エルネニーさんはエジプト代表の長きにわたる主力選手でもあります。

アフリカネイションズカップでの活躍

エルネニーさんが代表で最も輝いた舞台の一つが、アフリカネイションズカップ(AFCON)です。

2019年のAFCONはエジプト開催という特別な大会で、エルネニーさんは代表チームの中盤の要として活躍しました。

アフリカ大陸を代表する激しい守備合戦の場での戦いは、エルネニーさんのハードプレスとインターセプトという特性が最大限に発揮される舞台でもあります。

エジプト代表での役割

エジプト代表チームにおけるエルネニーさんの役割は、クラブと同様に「守備的MFとしての安定」です。

守備の要として機能しながら、ビルドアップでもボールを捌き、チームにリズムをもたらす役割は、代表チームでも変わりません。

モハメド・サラー選手という世界トップクラスのアタッカーを擁するエジプト代表にとって、サラー選手が思い切り攻撃できるよう守備を支える選手の存在は不可欠で、エルネニーさんはその任を担っています。

「エジプトが誇る縁の下の力持ち」の称号

DAZNが「エジプトが誇る縁の下の力持ち」と称したエルネニーさんは、エジプト国内でも英雄的な存在として尊敬されています。

アフリカのサッカー選手がプレミアリーグという最高峰のリーグで長期にわたって活躍し続けることは、決して容易なことではありません。

エルネニーさんがアーセナルで10年近くにわたってプレーを続けてきたことは、後進のエジプト・アフリカ出身の選手たちに「欧州のトップリーグでも戦える」という夢と実証を与え続けています。

代表チームでのエルネニーさんの価値は、クラブでの役割以上に明確です。モハメド・サラーというワールドクラスのアタッカーが前線で輝くためには、中盤で守備の強度を保ち、安定したボール供給を続ける選手の存在が不可欠です。エルネニーさんはまさにその「サラーを活かす歯車」として機能し、エジプト代表の成績向上に大きく貢献してきました。代表での通算出場数も着実に積み上げており、エジプト代表史に残る貢献者の一人として歴史に名を刻んでいます。

モハメドエルネニーのプレースタイルの総括まとめ

  • 1992年12月11日生まれ、エジプト・マハッラ出身の守備的ミッドフィルダー
  • 所属クラブはアーセナルFC(プレミアリーグ)、2016年加入の長期在籍選手
  • プレースタイルは「ハードプレス」、絶え間ないプレッシャーとボール奪取が代名詞
  • 最大の特徴はボールロストの少なさと試合を通じた安定したパス精度
  • インターセプト能力が高く、パスカット・ボール奪取でチームに貢献
  • 幼少時代はカイロの路上で毎日10時間サッカーを続けた情熱の持ち主
  • 敬虔なイスラム教徒として、アウェイ戦にも祈祷マットを持参した信仰心
  • エメリ監督から公式に戦力外宣告されたが、アルテタ監督に復活を果たす
  • トーマス・パーティとのダブルボランチでMU戦に圧巻のパフォーマンス
  • 「調子の波が少ない」安定した選手として監督が計算できる存在
  • エジプト代表の長年の主力としてAFCON複数回出場の実績
  • モハメド・サラーの守備面を支える縁の下の力持ちとして代表に貢献
  • バーゼル(スイス)を経由した着実なステップアップキャリア
  • DAZNが「エジプトが誇る縁の下の力持ち」と評した献身的なMF
  • アフリカ出身選手としてプレミアリーグで長期活躍した先駆者の一人

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