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ロヴロ・マイェルさんのプレースタイルについて気になっている方は多いと思います。
1998年1月17日生まれ、クロアチアの首都ザグレブ出身のクロアチア代表攻撃的ミッドフィールダーで、現在はドイツ・ブンデスリーガのVfLヴォルフスブルクに所属しています。
最大の特徴は、プレーの約9割を左足から繰り出し、「私たちに見えていないものが彼には見える」とコーチ陣が絶賛するパスビジョンを持つ天才レフティです。
12歳でディナモ・ザグレブのアカデミーを放出されながらも、不屈の精神で這い上がり、スタッド・レンヌでのリーグ・アン年間ベストイレブン選出、2022年カタールW杯でのブラジル戦PK成功など、挫折を知るからこそ輝く選手です。
この記事では、ロヴロ・マイェルさんのプレースタイルの特徴・強み・弱点を詳しく解説します。
記事のポイント
①:プレーの9割が左足から繰り出される「魔法のレフティ」
②:「見えていないものが見える」と絶賛される独自のパスビジョン
③:12歳での放出という挫折から這い上がった不屈の精神の持ち主
④:父はテコンドー欧州王者エゴン・マイェル——スポーツ一家の血統
ロヴロ・マイェルのプレースタイル|左足と技術の深さ
- 【総評】ロヴロ・マイェルのプレースタイル
- 魔法の左足|「見えていないものが見える」パス技術
- カットインと推進力|右ウイングからの崩し
- 守備貢献と戦術的柔軟性
- プロフィールとキャリア概要
【総評】ロヴロ・マイェルのプレースタイル
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ロヴロ・マイェルさんは、クロアチアの伝統的なミッドフィールダーの系譜を継ぐ「左足の魔術師」として欧州サッカー界に名を刻んでいます。
一言で表すなら「プレーの9割を左足から繰り出す高精度のパス技術と、コーチ陣さえも見えないコースを事前に読み切る異次元のビジョンを持つ天才型攻撃的MF」です。
「見えていないものが見える」という評価の意味
マイェルさんを評するうえで最も印象的な言葉が、クロアチアの指導者たちが異口同音に語る言葉です。
「私たちに見えていないものが彼には見える。ようやく私たちにそれが見えるのは彼がパスを出してからだ」
この言葉は単なる褒め言葉ではなく、指導者たちが自分の目で見て実感した驚きの言葉です。コーチですら予測できなかったコースへのパスを、当然のように出してしまうビジョンの異次元さを示しています。
研究によれば、視覚情報が右脳で処理されてから運動中枢に到達するまでのスピードが、右利きより左利きの方が20〜30ミリ秒速いと言われています。マイェルさんの「数手先が見える知覚力」は、この左利きの神経系的な優位性が極限まで磨かれた結果とも言えます。ただし、多くの左利きを見てきた指導者たちが異口同音に驚くほどですから、それだけでは説明がつかない才能の深さがあります。
プレースタイルの全体像
マイェルさんのプレースタイルを構成する要素は主に4つです。
①左足から繰り出す多彩なパスと切り裂くようなスルーパス
②右サイドからカットインして左足でシュート・アシストを生み出す突破力
③前線からの積極的なプレスと高いタックル成功率
④インサイドハーフ・右ウイング・トップ下と複数のポジションをこなす柔軟性
これらが高次元で組み合わさることで、攻撃の司令塔としても右サイドのアタッカーとしても機能できる希少な選手像が完成しています。スタッド・レンヌでは「マエストロ・ロヴロ」と呼ばれ、チームを中盤から牽引した実績が示す通り、彼がピッチにいることでチーム全体の攻撃のリズムと精度が別次元になります。
プロフィール表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | ロヴロ・マイェル(Lovro Majer) |
| 生年月日 | 1998年1月17日 |
| 2026年04月21日現在の年齢 | 28歳 |
| 出身 | クロアチア・ザグレブ |
| 身長 | 178cm |
| 体重 | 75kg |
| 利き足 | 左(プレーの約9割が左足) |
| ポジション | 攻撃的MF / セントラルMF / 右ウイング |
| 現所属 | VfLヴォルフスブルク(ドイツ) |
| 移籍金 | 2500万ユーロ(約45億円) |
| 代表 | クロアチア代表 |
| 父親 | エゴン・マイェル(テコンドー欧州王者) |
魔法の左足|「見えていないものが見える」パス技術
マイェルさんのプレースタイルの核心は、「左足から繰り出す多彩なキック技術」と「それを支えるピッチを俯瞰するビジョン」の融合にあります。
パスの種類と精度の高さ
マイェルさんの左足から放たれるパスは「切り裂くような」という表現がよく使われます。単に強い・速いだけでなく、相手守備の弱点を一瞬で見抜き、ラインの間を貫く楔のパスや、走り込む味方に完璧なタイミングと強さで供給するスルーパスが真骨頂です。
プレーの約9割が左足から繰り出されるというデータが示すように、右足をほとんど使わずにプレーできるほどの左足の精度と自信があります。
「ファイナルサードでの支配力は特筆すべきもので、走り込む味方に完璧なタイミングと強さでボールを供給する能力はワールドクラス」という評価は、ゲームを動かす「一本のパスで状況を変える」能力の高さを示しています。
スタッド・レンヌ時代に「マエストロ・ロヴロ」と呼ばれた所以は、このパス技術がチームの音楽を指揮する指揮者のように機能していたからです。パスが「音符」だとすれば、マイェルさんは「曲全体を作り上げる作曲家」とも言えます。
フリーキックとセットプレーの精度
左足の精度はフリーキックでも発揮されます。マイェルさんはセットプレーでも重要な役割を担い、精度の高いフリーキックやコーナーキックを蹴ることができます。
ゴールに近いエリアでのフリーキックはもちろん、ペナルティエリアから離れた位置からもゴールを狙えるシュートレンジも持ち合わせています。
2022年カタールW杯のブラジル戦PK戦でも冷静にキックを成功させており、プレッシャーのかかる場面での「左足の信頼性」は代表チームでも最高クラスと評価されています。
スタッド・レンヌでのデータが示す実力
2021-22シーズンのスタッド・レンヌでのリーグ・アンでは6ゴール9アシストという際立った数字を残し、年間ベストイレブンに選出されました。
この成績は、マイェルさんのパス技術が「欧州5大リーグの中でも通用する」ことを数字で証明したシーズンです。フランスのフィジカルが激しいリーグ・アンで、6ゴール9アシストという数字は攻撃的MFとして相当な水準です。
これを受けてVfLヴォルフスブルクが2500万ユーロ(約45億円)という大きな投資をしたのも、その才能への確信があってのことです。
カットインと推進力|右ウイングからの崩し
マイェルさんの攻撃的な特徴として、右サイドからカットインして左足でゴールやチャンスを生み出す「インバーテッドウイング」的なプレーがあります。
右サイドからの独特のカットイン
右ウイングとして起用された際、マイェルさんは右サイドに流れながら左足のシュートコースを作るため内側へカットインします。このプレーは現代サッカーでは一般的なパターンですが、マイェルさんのそれは独特の肩を落とすフェイントが加わることで相手DFの対応を非常に難しくします。
「肩を落とす独特のフェイントで相手を翻弄し、狭いエリアでもボールを失わない技術と冷静さ」は、カットインのプレーに奥行きを加えており、単純に速さや力で突破するのではなく技術で崩す高度なスタイルです。
ロコモティヴァ・ザグレブ時代に「10番」を背負いプレーメイカーとして活躍した経験は、純粋なドリブラーではなくゲームを読みながら仕掛けるインテリジェントなアタッカーとしての土台になっています。
ドリブルと1対1での崩し
カットインだけでなく、1対1でのドリブル突破も得意としています。
「ドリブルも巧みで、肩を落とす独特のフェイントで相手を翻弄し、狭いエリアでもボールを失わない技術と冷静さを兼ね備えている」という評価は、スペースのない密集した場面でも打開できる技術があることを示しています。
右サイドから中央へカットインして左足で決定機を演出するのが彼の真骨頂であり、相手の右サイドバックは1対1でマイェルさんを止めることは非常に難しいとされています。
フランスのリーグ・アンはフィジカルな強度が高く、アグレッシブなプレッシングを受ける場面も多いです。その環境でも「ドリブルで違いを生み出せた」という事実は、マイェルさんのスキルが単なる技術止まりではなく試合の強度の中でも発揮できることを証明しています。
推進力とペネトレーション
カットインやドリブルを通じて生まれる推進力は、チームの攻撃に縦への加速をもたらします。
守備ブロックを崩すためには横パスだけでなく、縦や斜めへの「侵入」が必要です。マイェルさんはパスと自らのドリブルの両方でその侵入を可能にできる選手として非常に重宝されています。
VfLヴォルフスブルクがミケル・メリノさんの抜けた後釜として彼を選んだのも、「ゲームを動かしながら自らも得点・アシストに絡める」という二重の役割を担えることへの期待があったからです。
守備貢献と戦術的柔軟性
マイェルさんは攻撃的な選手でありながら、守備への貢献度が非常に高い「戦える10番」としても評価されています。
前線からのプレスと守備強度
「攻撃的な選手でありながら守備への貢献度も非常に高い。前線からの激しいプレスを厭わず、タックル勝利数は同ポジションの選手の中でもトップクラス」という評価は、現代サッカーが求める「守備もできる攻撃的MF」の理想に近い姿を示しています。
「豊富なスタミナで試合を通して攻守にインテンシティを維持できる、現代サッカーが求める『戦える10番』」という評価は、90分間高い強度を保ちながらプレーできる体力的な基盤があることを示しています。
この守備力は、ディナモ・ザグレブ時代やロコモティヴァ時代から培われた「クロアチア流の泥臭い戦い方」と、ヨーロッパの組織的なプレッシングサッカーを経験したことで磨かれたものです。
インターセプトとこぼれ球への対応
守備において特に優れているのが、インターセプト能力とこぼれ球への反応です。
相手のパスコースを先読みして間に入るインターセプトは、マイェルさんのゲームを読む力と直結しています。攻撃でゲームを読める選手は、守備でも同じようにゲームを読めます。
eFootball上のスキルとして「インターセプト」が付いていることからも、守備の中でもインターセプト能力が特徴的であることが分かります。
攻守一体でプレーできる選手は、チームの戦術的な柔軟性を高めます。マイェルさんがインサイドハーフ・トップ下・右ウイングと複数のポジションをこなせるのも、この守備への意識の高さが基盤にあります。
戦術的柔軟性と複数ポジション対応
マイェルさんは攻撃的ミッドフィールダーを最も得意とするポジションとしながら、インサイドハーフや右ウイングでも高い水準でプレーができます。
この柔軟性はW杯のような短期決戦で特に価値が高く、監督が戦術的な変化を加えたい場面で複数の役割をこなせる選手は不可欠です。
クロアチア代表のズラトコ・ダリッチ監督は、2022年カタールW杯でもマイェルさんを重要な場面で起用しており、その信頼の高さは明らかです。
プロフィールとキャリア概要
マイェルさんのキャリアを理解することで、「天才」と呼ばれるに至った背景が見えてきます。
スポーツ一家に生まれた天才少年
ロヴロ・マイェルさんは1998年1月17日、クロアチアの首都ザグレブで生まれました。父親はテコンドーの欧州王者であるエゴン・マイェルさんというスポーツ一家の出身です。
父親にテコンドーを勧められましたが、「誰かにやられそうになっても対抗できる」という父の誘いも断り、サッカー一筋でいることを選びました。
5歳でフランスW杯の得点王ダボル・シュケルさんが開校したサッカーアカデミーに入団し、わずか1年後にはクロアチア最強の名門クラブ、ディナモ・ザグレブの門をくぐります。そのキャリアの早い段階でのトップレベルへの参加は、マイェルさんの才能の高さを示しています。
同世代の豪華な仲間たち
マイェルさんの1998年生まれの同世代には、クロアチアから優秀な選手が揃っていました。
| 選手名 | 主な所属クラブ | ポジション |
|---|---|---|
| ロヴロ・マイェル | VfLヴォルフスブルク | 攻撃的MF |
| ヨシップ・ブレカロ | VfLヴォルフスブルク | ウイング |
| ボルナ・ソサ | VfBシュツットガルト | 左SB |
| ニコラ・モロ | ディナモ・モスクワ | MF |
2013年にはナイキ・プレミアカップで優勝してU-15クラブ世界王者に輝いた同世代の仲間たちが、世界の舞台でそれぞれ活躍しています。マイェルさんはその中でも一歩抜き出た存在として現在も評価され続けています。
キャリア概要表
| 時期 | 所属 | 主な出来事 |
|---|---|---|
| 2003〜2010年 | シュケルアカデミー→ディナモ・ザグレブアカデミー | 5歳で入団・6歳でディナモへ |
| 2010〜2016年 | ドゥブラバ・トルニェ→ロコモティヴァ(ユース) | ディナモ放出→下部クラブで再起 |
| 2016〜2018年 | ロコモティヴァ(トップ) | デビュー・クロアチア最優秀若手選手賞 |
| 2018〜2021年 | ディナモ・ザグレブ | 買い戻し・3度のリーグ優勝 |
| 2021〜2023年 | スタッド・レンヌ | 6G9A・年間ベストイレブン・「マエストロ」と称される |
| 2023年〜 | VfLヴォルフスブルク | 移籍金約45億円・重傷後2025年4月復帰 |
ロヴロ・マイェルのプレースタイル|挫折と復活の軌跡
- 12歳の放出からの挫折と再起
- ロコモティヴァでの台頭とディナモ復帰
- スタッド・レンヌでの欧州デビューと躍動
- VfLヴォルフスブルクと怪我からの復活
- クロアチア代表での役割と2026W杯
12歳の放出からの挫折と再起
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マイェルさんのキャリアには、今の輝きからは想像できない挫折があります。
「身体的に華奢すぎる」という屈辱
6歳でディナモ・ザグレブのアカデミーに入団したマイェルさんですが、12歳のときに「身体的に華奢すぎる」という理由でアカデミーを放出されます。
クロアチア最強のクラブから12歳でクビを宣告された経験は、普通の少年であれば心が折れてもおかしくない出来事です。
しかし、マイェルさんはこの屈辱を糧にしました。「何が理由だったかは語りたくない。僕はあえて困難な道を選んだんだ。人として、サッカー選手として自己形成できたので、その決断をして今は良かったと思っている」と振り返っています。
「才能は成功への道のりのほんの一部に過ぎないことに気づいた。何かを成し遂げるには多くの努力が必要だ」——この言葉は、後に世界に名を轟かせる選手が12歳で学んだ人生の真理です。放出という挫折が、むしろ彼の精神的な強さの土台になったとも言えます。
下部クラブでの3年間
ディナモを退団したマイェルさんは、ドゥブラバやトルニェといった下部クラブのユースで練習を続けます。
同世代のかつての仲間たちが、2013年のナイキ・プレミアカップでU-15クラブ世界王者に輝いた際、マイェルさんは下部クラブで黙々と練習を重ねていました。
「彼らよりも僕の方が優れている。『サッカー選手になる』という唯一の目標に向かって必要なことはすべてやってやる」と心に誓い、トレーニング量を増やしたという逸話は、彼のメンタルの強さを象徴しています。
この3年間の「見えない努力」が、後のロコモティヴァでのブレイクの土台になりました。才能だけでなく、努力の積み重ねがあってこそ、指導者が「見えていないものが見える」と驚く選手になれたのです。
挫折が生んだハングリー精神
マイェルさんのプレースタイルには、この挫折体験から来るハングリー精神が宿っています。
前線からの積極的なプレスや、タックルを厭わない守備貢献は「技術だけで生きる天才肌」ではなく、努力する天才であることを示しています。
スタッド・レンヌのファンから「マエストロ・ロヴロ」と呼ばれた選手が、かつては12歳でクビを宣告された少年だったというストーリーは、多くのサッカーファンに感動を与えるものです。
ロコモティヴァでの台頭とディナモ復帰
下部クラブでの忍耐の時期を経て、マイェルさんはロコモティヴァ・ザグレブで才能を爆発させます。
18歳でのデビューと「10番」の重さ
2016-17シーズン、18歳でロコモティヴァのトップチームデビューを果たしたマイェルさんは、1年目の途中から「10番」を背負うプレーメイカーとして君臨するようになります。
クロアチアでは「10番」は単なる背番号ではなく、チームの司令塔としての責任と期待を背負う特別な番号です。
2017年5月には国内組を中心に結成されたクロアチア代表に選ばれ、メキシコ戦でA代表デビューを果たしています。18〜19歳でのA代表デビューは、マイェルさんの才能が国際レベルで認められた証拠です。
2017-18シーズンには、かつて自分を放出したディナモ・ザグレブ相手に2ゴールを挙げ、ロコモティヴァが4-1で勝利するという歴史的な場面の立役者となります。直接対決29戦目での初勝利という歴史的な瞬間を演出し、2シーズン連続で21歳以下のリーグ最優秀プレーヤーに選出されます。
ディナモへの電撃復帰とその理由
ロコモティヴァでの活躍を受けて、セリエAのサンプドリアから650万ユーロの移籍金オファーが届きます。しかし、マイェルさんが選んだのはかつて自分を放出したディナモ・ザグレブでした。
「サンプドリアの方が条件が良く、僕のためのプロジェクトをしっかり準備していた。しかし、『これじゃないんだ』とも感じていた。ディナモに戻れるチャンスが少しでもあるならば、それこそが僕の選択だ。代理人からディナモが『10番』を用意していることを耳にした時、まるで僕はその言葉を聞くために切磋琢磨してきたような気分になった」と語っています。
一度放出した12歳の少年を、6年後に660万ユーロで買い戻したディナモ・ザグレブ側も、マイェルさんの成長と才能を認めた形での「過去の誤りの訂正」でした。
ディナモでの3度のリーグ優勝
ディナモ・ザグレブに復帰したマイェルさんは、主力として活躍し3度のリーグ優勝に貢献します。
この時期にクロアチアリーグでの地位を確立しながら欧州の舞台も経験したことで、2021年のスタッド・レンヌへの移籍につながる高い評価を得ることになりました。
下部クラブから12歳でのクビ→ロコモティヴァでのブレイク→ディナモ復帰→3度の優勝という軌跡は、マイェルさんの「才能×努力×精神力」の物語を象徴するキャリアの歩みです。
スタッド・レンヌでの欧州デビューと躍動
2021年、マイェルさんはフランスのスタッド・レンヌに移籍し、欧州5大リーグの舞台で才能を爆発させます。
「マエストロ・ロヴロ」の誕生
フィジカルの激しいリーグ・アンで、マイェルさんは1年目から中盤の「マエストロ(指揮者)」としてチームを牽引しました。
6ゴール9アシストというリーグ戦での数字に加え、チームの攻撃を組み立てる役割を高水準でこなしたことで、シーズン終了後にはリーグ・アンの年間ベストイレブンに選出されます。
スタッド・レンヌのSNSに投稿された「マエストロ・ロヴロ」というキャプション付きの動画は、そのプレースタイルをファンが端的に表したものです。パスとドリブルでゲームを支配し、チームの音楽を作り上げる「指揮者」という表現が最もしっくりくる選手像です。
特に印象的だったのは、欧州のレベルのプレーヤーを相手にしても「見えていないものが見える」というビジョンが変わらず機能した点です。クロアチアのリーグとは比べ物にならないプレー強度の中でも、マイェルさんの左足からのパスの精度は揺るぎませんでした。
フランスでの経験がもたらした成長
リーグ・アンはフィジカルコンタクトが多く、守備強度の高いリーグです。この環境での2シーズンは、マイェルさんの「守備ができる攻撃的MF」としての側面をさらに磨きました。
前線からのプレスの強度が高まり、ボールを失っても素早く奪い返す守備の習慣が身についた時期でもあります。
フランスでの成功がVfLヴォルフスブルクからの2500万ユーロ(約45億円)というオファーに繋がり、マイェルさんのキャリアは着実に上を目指していきます。
2022年カタールW杯への切符
レンヌでの活躍が認められ、2022年カタールW杯のクロアチア代表メンバーに選出されます。
グループステージのカナダ戦では得点に関与し、ベスト8のブラジル戦のPK戦では冷静にキックを成功させてクロアチアの3位という好成績に貢献しました。この大会でのパフォーマンスが、クロアチア代表における主軸としての地位を確立するきっかけになりました。
VfLヴォルフスブルクと怪我からの復活
2023年8月に移籍したVfLヴォルフスブルクでのキャリアは、重傷という試練との戦いになりました。
クラブ史上最高額クラスの移籍と期待
2023年8月、スタッド・レンヌからVfLヴォルフスブルクへ2500万ユーロ(約45億円)で移籍。これはヴォルフスブルクのクラブ史上最高額クラスの投資でした。
チームの中心だったミケル・メリノさんがアーセナルへ移籍した後の大事なポジションを埋める役割として、大きな期待を背負っての加入でした。
ブンデスリーガという世界トップレベルのリーグで「10番」を任されたことは、欧州サッカー界におけるマイェルさんの評価の高さを示しています。
足首の重傷とシーズン棒に振る苦境
しかし、2024-25シーズンは度重なる負傷に苦しめられます。特に足首の重傷はシーズンの大半を棒に振る結果となり、キャリアで最も過酷な一年を過ごすことになりました。
サッカー選手にとってシーズンのほとんどをピッチの外で過ごすことは、精神的にも肉体的にも最大の試練のひとつです。
しかし不屈の精神で2025年4月にピッチへ復帰。12歳での放出という挫折を乗り越えた精神力は、今回の重傷という困難も乗り越える土台になっています。
復活への道筋と2026年W杯
2026年04月21日現在28歳のマイェルさんは、選手として最も充実した時期を迎えています。
怪我からの復帰後、ヴォルフスブルクでのポジションを再確立し、万全の状態で2026年の北米W杯に臨むことがクロアチア代表における最大の目標です。
クロアチア代表のダリッチ監督は所属クラブで十分な出場機会を得ている選手を重視しており、マイェルさんにとっても「クラブで再び絶対的な地位を確立し、万全の状態でW杯に臨む」ことが最重要課題です。
怪我明けの選手がベストコンディションを取り戻すには時間がかかります。しかし、マイェルさんはこれまでも「12歳の放出」「下部クラブでの雌伏期間」など、逆境から何度も這い上がってきた選手です。足首重傷という試練も、彼の強靭なメンタルが乗り越えていくことでしょう。ヴォルフスブルクでの残りのシーズンでコンディションを上げながら、2026年の北米W杯に向けて照準を合わせています。市場価値は現在約18億円と下がっている状況ですが、マイェルさんが万全のコンディションで活躍すれば、その数字が大幅に回復することは間違いありません。
クロアチア代表での役割と2026W杯
マイェルさんはクロアチア代表において、モドリッチさんの後継者として期待を集めています。
代表デビューから主力への昇格
マイェルさんは2017年5月、19歳でクロアチアA代表デビューを飾ります(メキシコ戦に3分間出場)。その後、着実に代表での地位を高め、2022年のカタールW杯ではメンバーに選出されました。
カナダ戦でゴールに絡み、ブラジル戦PK戦では冷静にキックを成功させてクロアチアの3位という歴史的な成績に貢献したことで、代表における不可欠な戦力としての地位を固めました。
大舞台でPKを成功させる精神力は、「試合前に緊張しない」というメンタルの強さが源泉です。ルカ・スチッチさんも同様に「冷静なんです」と語っていますが、クロアチアのMFには精神的な強さを持つ選手が多く、それはクロアチアの育成環境がメンタル面も重視していることを示しています。
モドリッチとの共存と後継者としての期待
現在のクロアチア代表では、40歳を迎えるモドリッチさんとともにプレーしながら、次代のクロアチアを担う存在として期待されています。
マイェルさんのプレースタイルはモドリッチさんと完全に同じではありませんが、「左足の技術と高いゲームビジョン」という点では共通する部分があります。
「モドリッチの後継者」という期待の重さは大きいですが、12歳の放出という挫折を乗り越えてきたマイェルさんにとって、期待へのプレッシャーはむしろ燃料になるものでしょう。
2026年W杯での役割と可能性
2026年北米ワールドカップでのクロアチア代表メンバー入りの可能性は「極めて高い」とされています。
世代交代が進むクロアチアの中で、マイェルさんはモドリッチさんとともに「橋渡し役」としての役割を担えます。ベテランと若手の中間で、経験値とまだ伸び代を持ち合わせているポジションです。
「左足が試合の流れを変える力を持っている」という評価通り、マイェルさんの一本のパス・一本のシュートがクロアチアの命運を左右する場面が2026年の北米で生まれるかもしれません。
ロヴロ・マイェルのプレースタイル総まとめ
- 1998年1月17日生まれ、ザグレブ出身のクロアチア代表攻撃的MF
- 現所属はVfLヴォルフスブルク(移籍金2500万ユーロ・約45億円)
- プレーの約9割が左足から繰り出される「魔法のレフティ」
- 「私たちに見えていないものが見える」とコーチ陣が絶賛する異次元のビジョン
- スタッド・レンヌ時代に6ゴール9アシスト・リーグ・アン年間ベストイレブン選出
- 右サイドからのカットインと独特のフェイントで相手守備を翻弄
- 前線からのプレスと高いタックル勝利数を誇る「戦える10番」
- 父はテコンドー欧州王者エゴン・マイェル——スポーツ一家の血統
- 12歳でディナモ・ザグレブを放出——挫折を乗り越えた不屈の精神
- 2018年にかつて自分を放出したディナモを4-1で撃破・2得点という逆転劇
- 2022年カタールW杯ではブラジル戦PK成功・クロアチア3位に貢献
- 2024-25シーズンは足首重傷でほぼ欠場→2025年4月に復帰
- 弱点は得点への転換効率と右足の精度(改善中)
- モドリッチの後継者として2026年W杯での活躍を期待される
- 「才能は成功への一部に過ぎない」——努力を信じる天才の言葉
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